- 飲食店は一般企業と比べてブラック企業が多い?
- どのようにブラックな飲食店か見分ければいい?
- 飲食店に勤めているけど辞めたほうがいいの?
飲食店にブラック企業が多いのは事実。飲食店に取り巻く労働環境がブラック企業を生んでいるからです。
この記事では、店長・マネージャーを務めた経験から飲食店にブラックすぎる企業が多い理由と見分け方を解説します。記事を参考にすれば、ブラック企業を避けてホワイト企業に勤められます。
飲食店にブラック企業が多い理由は、人件費を削減しないと利益を出せないからです。常に求人が出ていたり店長候補を募集している場合は注意してください。
飲食店にブラックすぎる企業が多い4つの理由
飲食店にブラックすぎる企業が多い理由は4つです。
- 人件費予算が少ない
- 人手が不足しやすい
- 正社員の仕事量が多い
- 古い伝統が根付いている
人件費予算が少ない
飲食店は人件費予算が少なく設定されています。人件費を押さえることで利益を出しているからです。
人件費を抑えるために正社員がサービス残業を強いられます。人件費予算の少なさがブラックな労働環境を生んでいます。
特に日本は「良いものを安く」という思考が強いです。つまり、以下のような順で人件費予算が減らされます。
- メニューを安くする
- 食材・人件費を抑える
- ブラック企業が生まれる
薄利多売の飲食店はブラック企業が多いです。
人手が不足しやすい
飲食店は人手不足に陥りやすい傾向があります。劣悪な労働環境によって退職する人が多いからです。
人手が不足すると残っている正社員にシワ寄せが来ます。仕事が増えるだけでなく勤務時間も増えてしまいます。
- 労働環境が悪い
- 人が辞めやすい
- 人手が不足しやすい
人手不足に陥りやすい企業はブラックである可能性が高いです。飲食店に勤めると店を回すことに必死になります。
» 人手不足でも飲食店を100%辞める方法
正社員の仕事量が多い
飲食店の正社員は仕事量が多いです。パート・アルバイトの穴埋めをしつつ、以下の仕事もこなさなければいけません。
- 売上管理
- 食材管理
- シフト作成
- メニュー開発
- 会社の会議に出席
- 業者との打ち合わせ
「ホール接客はアルバイトに任せておけばいい」というのは間違いです。中には定時が終わってから上記のような雑務をこなさなければいけないケースもあります。
仕事量の多さからも飲食店はブラックである可能性が高いです。
古い伝統が根付いている
飲食店には古い伝統が根付いている場合がたくさんあります。飲食店は閉鎖的な空間のため、新しい文化を取り入れにくいからです。
- パワハラが横行
- 会社のために働くのが当たり前
- 「働くのがすばらしい」という考え
特に上層部に高齢な幹部がいる企業にが注意してください。考えを曲げることのできない幹部たちは「これが正しい」と思いながらブラック企業を作っています。
» 飲食店の正社員をやめてよかった5つの理由
ホワイトな飲食店に勤めたいなら転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントはすぐに辞められると企業から報酬の返還を求められるため、ブラック企業を紹介できません。
「フーズラボ・エージェント」は飲食業界に特化した転職エージェントです。ブラックな飲食店を避けたい人は「フーズラボ・エージェント」を利用してください。
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勤めたいブラックすぎる飲食店の特徴
ブラックすぎる飲食店の特徴は4つです。飲食店に勤めると以下のようになる可能性が高くなります。
- 給料が少ない
- 休日が少ない
- 人間関係が悪い
- サービス残業が多い
給料が少ない
ブラックすぎる飲食店は給料が少ないです。人件費削減のために正社員の給料を減らしています。
実際、dodaが発表した業界別平均年収ランキングでも「小売/外食」が全業界の中でもっとも低い結果でした。
業界 | 平均年収 |
---|---|
メーカー | 453万円 |
金融 | 448万円 |
総合商社 | 446万円 |
IT/通信 | 444万円 |
メディカル | 426万円 |
建設/プラント 不動産 | 418万円 |
インターネット 広告/メディア | 407万円 |
専門商社 | 406万円 |
サービス | 369万円 |
小売/外食 | 353万円 |
(参考:【96の業種別】平均年収ランキング)
上記の結果からも飲食店にブラック企業が多いことがわかります。飲食店に勤めるとカツカツの生活を強いられる可能性が高いです。
ボーナスも1ヶ月未満、もしくはもらえないこともあります。
休日が少ない
ブラックすぎる飲食店は休日が少ないです。人手不足の場合が多いため、休むと店が回らなくなります。
事実、厚生労働省が発表したデータでも「宿泊業・飲食サービス業」の年間平均休日数は全業種の中でも最下位でした。
業種 | 年間平均休日数 |
---|---|
情報通信業 | 118.8 |
学術研究 専門技術サービス業 | 118.8 |
金融業・保険業 | 118.4 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 116.8 |
教育・学習支援業 | 112.7 |
製造業 | 111.4 |
複合サービス事業 | 110.4 |
不動産業・物品賃貸業 | 109.6 |
医療・福祉 | 109.4 |
サービス業(他に分類されないもの) | 109.0 |
卸売業・小売業 | 105.7 |
生活関連サービス業 娯楽業 | 104.6 |
建設業 | 104.0 |
鉱業・採石業 砂利採取業 | 103.8 |
運輸業・郵便業 | 100.3 |
宿泊業 飲食サービス業 | 97.1 |
上記の通り、1位の情報通信業とは年間21日も休日の差が生まれています。給料が少ない割に休日も少ないのがブラックな飲食店の特徴です。
» 接客業に疲れたら転職するべき3つの理由
人間関係が悪い
飲食店は人間関係が悪い傾向があります。飲食店にはストレスを受ける環境が多いからです。
以下のケースはブラックな飲食店でよく見られます。
- 上司からのパワハラ
- スタッフ同士はギスギス
人間関係の悪さは人手不足の原因にも繋がっています。飲食店には負の循環があるためブラックすぎる労働環境がなくなりません。
» 接客業だと性格が悪くなる理由と対処法
サービス残業が多い
ブラックすぎる飲食店はサービス残業が日常化しています。サービス残業を強いる会社からの圧力が大きいからです。
多くの飲食店では、以下のケースを経験している人がいます。
- 人はいないけど「店は回せ」
- 仕事が終わらないのに「残業代は出せない」
- 残業しないと店が回らないのに「定時で帰れ」
残業代を請求すれば法律的にはもらえます。しかし中には「残業代を請求するとボーナスを下げる」と脅す企業もありました。
証拠を残さないために「タイムカードを切ってから残業しろ」と指示されるケースも少なくありません。
ブラックすぎる飲食店の見分け方
ブロックすぎる飲食店の見分け方を紹介します。以下5つの特徴がある場合は注意してください。
- 常に求人が出ている
- 店長候補として採用
- みなし残業代制がある
- 残業に関する記載が曖昧
- 口コミでの評価が悪い
常に求人が出ている
常に求人が出ている飲食店はブラック企業の可能性が高くなります。劣悪な労働環境の中、辞めていく人が多いからです。
転職活動中に「この求人よく見るな」という場合には注意してください。頻繁に見かけるのは求人を出し続けている証拠です。
ブラックな飲食店は辞めてもいいよう、多めにスタッフを採用します。受かりやすいのも特徴なので特に注意が必要です。
裏を返せば、あまり見かけない求人はホワイトな可能性が上がります。
ハローワークに掲載されている求人はブラック企業が比較的多い傾向があります。ハローワークは無料で求人を出せるからです。
頻繁に求人を出すブラック企業は広告費削減のためにハローワークを利用します。ブラック企業を避けたいなら、ハローワークを利用するのはおすすめできません。
店長候補として採用
求人票に「店長候補」と書いてある場合はブラック企業である可能性が上がります。店長候補であることをいいことに、過酷な労働を強いられるからです。
- 店長候補だから残業しろ
- まだ店長候補だから残業代は出ない
- まだ店長候補だから休日なんでない
中には店長候補のまま、1年2年過ぎて正社員になれないケースもあります。求人票の「店長候補」という言葉にダマされてはいけません。
みなし残業代制がある
「みなし残業代制」のある飲食店はブラックと考えてください。一定の時間まで残業代が出ません。
みなし残業とは、賃金や手当ての中に、あらかじめ一定時間分の残業代を含ませておく制度のことで、一定の残業代を固定して支払う固定残業制度とも言われてます。
労働問題弁護士ナビ
「月30時間の残業を含む」と求人票に書いてあれば、30時間は残業代が出ないということ。違法ではないため、法律を知らないと損することになりかねません。
ブラックな飲食店は、法律をうまく利用して労働者を働かせます。
残業に関する記載が曖昧
求人票を見て残業に関する記載が明確でない場合はブラック企業である可能性があります。残業の規定を隠すことで、人件費を抑えようとしているからです。
実際に働いてみると「みなし残業代制」がある場合も。もし残業に関する記載が曖昧な企業に応募する場合は、面接時に確認しましょう。
ブラックな飲食店はなるべくデメリットは隠して求人票を魅力的に見せます。メリットばかりに目がいかないように注意してください。
口コミでの評価が悪い
企業の口コミを見ればブラック企業かわかります。実際に働いていた人がリアルな情報を書いているからです。
TwitterなどのSNSや「企業名 口コミ」などで検索してみましょう。悪い意見が多ければ避けておくのが無難です。
ただし辞めた人の意見はデメリットである場合がほとんど。すべての口コミを鵜呑みにするのもいけません。
「転職会議」は無料登録すれば18万以上の企業に関する口コミを確認できます。気になっている飲食店の情報が掲載されていないか確認しましょう。
ブラックすぎる飲食店を避ける方法
ブラックすぎる飲食店を見分けられない場合は、以下の2つを実践してください。ブラック企業を避けてホワイト企業へ勤められる可能性を上げられます。
- 異業種へ転職する
- 転職エージェントを利用する
異業種へ転職する
ブラックな飲食店を避けたいなら、異業種への転職を検討しましょう。異業種を選べばブラック企業である可能性が低くなります。
飲食店から異業種へ転職することは可能です。特におすすめの業界・業種は以下の通り。
- 営業職
- 事務職
- 製造業
飲食店を選ぶ限りブラック企業である可能性は低くなりません。将来性を考えても飲食店からの転職をおすすめします。
異業種へ転職すれば労働環境は格段に良くなります。
転職支援サービスを利用する
飲食店を選ぶにしろ異業種を選ぶにしろ、転職支援サービスは必ず利用しましょう。
転職支援サービスを利用すればブラック企業への転職を避けられる可能性が高くなるからです。
転職支援サービスは、
- 中途採用中の企業とのマッチング
- 履歴書・職務経歴書などの書類添削
- 自己PR・志望動機などの面接対策
- 給料アップを引き出す交渉
などを完全に無料で行なってくれます。内定確率を高めるためにも利用するのが吉です。
飲食店はブラックすぎる企業が多い
飲食店にブラックすぎる企業が多いのは仕方ありません。
飲食店の労働環境がブラック企業を生んでいるからです。
- 人件費予算が少ない
- 人手が不足しやすい
- 正社員の仕事量が多い
- 古い伝統が根付いている
ブラックすぎる飲食店を避けるには転職支援サービスの利用がおすすめです。
利用すればブラックすぎる飲食店を避けてホワイト企業へ勤められる可能性が高まります。
よほど飲食店が好きという方でない限り、ブラックな労働環境に身を染めるのはもったいないです。
後悔しないキャリアを歩めるように慎重に転職先を決めましょう。